子どもの貧困対策センター 公益財団法人あすのば

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2019.10.24|

開催報告:全国キャラバンin宮崎!

2019年10月10日(木)、135人の方々にご参加いただき「子どもの貧困対策 全国 47 都道府県キャラバン in 宮崎」を宮崎県都城市のウエルネス交流プラザ茶霧茶霧ギャラリーで開催しました。

UMKテレビ宮崎のアナウンサーである永井友梨さんがテレビ局の社会貢献活動として司会を務めていただきました。

 小河光治・あすのば代表理事の主催者あいさつに続いて、共催いただいた岩﨑透・都城市副市長より「都城子どもの未来応援計画を策定し、子どもの生活・学習支援事業を実施し、来年度までに市内15の中学校区で実施予定です」とごあいさつをいただきました。

 

 基調講演では最初に、末冨芳・日本大学文理学部教授(あすのば理事)より、子どもの貧困対策法改正のポイントを解説。また、大綱に関しては、内閣府・子供の貧困対策に関する検討会の構成員として、当事者参加や子どもの居場所をつくることの大切さ、子どもや若者のためにつながる学校プラットフォームの実践を交えて講演。「子どもが大事にされる社会というのは、しんどい子もいるけど、この地域の子どもは幸せですよ。そのために『さまざまなことをやってます』と大人がいえること。幸せを意識した子どもの貧困対策をすすめてほしい」と語りかけました。

 引き続き、竹内元・宮崎大学大学院教育学研究科准教授より、宮崎県内の現状をご報告いただきました。今までさまざまなケースに対応してきた結果、子どもの貧困問題には、学校と家庭、あるいは学校と地域の関係性に歪みがあると指摘され、そのうえで、教育と福祉の文化の違いについて、事例を交えてご講演いただきました。また、長年関わっている子どもの姿から、「根本はなかなか解決しない。解決に向けたその長いスパンをどう作っていくかが大切」とお話いただきました。

 パネルディスカッションでは、竹内准教授がコーディネーター、末冨教授をコメンテーターとしてスタート。新穂美代子・山田地区社会福祉協議会事務局長が実践報告をされました。4年前から始めた学習支援では、「子どもたちとの関りの中で『どうせ、おれはダメなんだ』と素直に言える状況になり、この4年間で子どもとサポーターとの関係がうまくできているのかなと感じられている。」とお話いただきました。

山元絵美・NPO法人Swing-By理事からは、3つの課題があるとして報告をいただきました。一つ目は、大阪での視察で、学校に「困りごと担当」の教員がいたことがよいと思い、宮崎の中での学校システムにも取り入れていきたいこと。二つ目は、サポーター自身が事例検討したり、指針検討をしたりといった活動をしていき、各地の先進事例に耳目を傾けたいこと。三つ目は、学校からのドロップアウトを防ぐための取り組みで、高校を卒業すると、すぐに結婚したり、妊娠したりする子たちに出会う中で、その後の人生をどう歩むか、公的サービスやお金の管理をその世代で学ぶ機会があってもよいのではと問題提起されました。その後、三輪邦彦・みやざき子ども未来ネットワーク理事長より、37年間の教員の生活を活かして団体でのサポートをされてきたことをご報告いただきました。子ども食堂について「垣根の低い、間口の広い居場所になっており、宮崎県内でも44か所あること」を紹介されました。今後は、小学校区に1つは子ども食堂のような居場所が必要であると訴えられました。また、学校は「人権というメガネをかければ、子どもの問題はすべてわかる」と、憲法26条の子どもの学ぶ権利を大切にすることの重要性についてもお話されました。その後は、末冨教授、竹内准教授を交えて討議が行われ、宮崎県内の実践現場における評価や共有を行い、課題を抽出するとともに今後の活動の方策についても考える場になりました。


 後半のリレートークでは、宮崎大学教育学部4年でNPO法人Swing-Byスタッフの井上瑛美子さんより「勉強を教えるという姿勢で子どもと関わるのではなく、自分たちも学ばせてもらっている姿勢で関わっている。そうしたことで、支援側の意図したものを子どもに押し付けるのではなく、子どもに寄り添った支援」を行っていることが語られました。そのほか、宮崎市県内各地よりご報告を頂きました。


参加者の方よりの感想を紹介させて頂きます。

「朝食をとってこない子に対してパン・カロリーメイト1個でもいいから食べさせてほしい。腹が減っては戦はできぬ」(60代男性)

「近所に通報するほどでもないが、気がかりな家庭に対する接し方が分かりません。今は生活リズムが家庭ごとにそれぞれで顔を合わせる時間がありません。個人的な課題です」(20代女性)

と頂きました。

 

【子どもの貧困対策 全国47都道府県キャラバンin宮崎】
【主催】 公益財団法人あすのば
【共催】 都城市
【後援】 内閣府、宮崎県、三股町、宮崎県教育委員会、都城市教育委員会、宮崎県社会福祉協議会、都城市社会福祉協議会、三股町社会福祉協議会、宮崎県の子どもの貧困に関する連携推進協議会、みやざき子ども未来ネットワーク
【協力】 あすのばキャラハンin宮崎実行委員会
【助成】 公益財団法人キリン福祉財団
【参加者数】135人
【日時】2019年10月10日 13:30~16:30
【会場】ウエルネス交流プラザ 茶霧茶霧ギャラリー

報告書は、こちらからダウンロードできます

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